-
工法は真空成形
-
成形法には常圧注型、真空注型、遠心注型がありますが、弊社では真空をメインにしております。真空を使うとウレタンから発する ガスを抜き去り物性を引き出す事が出来ます。(物性とは強度、寸法、熱による変形の限界温度などを意味しています。ゴムタイプ、 透明、ABS タイプなど高物性ウレタンは真空条件必須)常圧の場合は真空槽に入らない大きな物ができるメリットがあります。ただ
し持ち運びが困難なくらいにシリコーン型が大きくなるものは扱っておりません。遠心は設備がありません。
-
使用できるウレタンは
-
目的に応じて、汎用、ゴムタイプ、透明、ABS タイプなど、ほとんどの注型用ウレタンが入手可能ですので、御希望のタイプ、物性、 または商品名がわかれば教えて下さい。今までに取り扱ったウレタンを次項のウレタンについてに記してありますので参考にして下 さい。
-
ロット(生産数)
-
ウレタン成形は極少ロット(1~10 個)では車部品、電気製品、おもちゃなどの試作品、量産(~200 個~)は模型、工芸品、食品 サンプルなどがあると思いますが、弊社では~200 個~の比較的、大量生産の模型を多く手がけております。ガレージキットでは数 十個の依頼はめずらしくなくなってきましたが、一個あたりの値段が高くなってしまいます。それで簡易型(原型へ直接シリコーン
を流し固め、メスで切り裂いて原型を取り出した型)を使いコストを抑えることもありますが原型のかたちにより理想的な仕上が りにならない事(型ずれなど)があり、判断が難しいところです。ロットについては次項のウレタンについても参考にして下さい。
-
寸法(全長)精度
-
寸法はシリコーン型の温度管理(シリコーンは加温すれば伸びます。)とウレタンの選択で出来る限り御希望に近ずけます。模型の場 合はコストダウンのため約1%収縮する汎用ウレタンをよく使います。
-
個体差(大きさや精度)
-
弊社では大量の生産(~200 個~)に力を入れており、生産数に従って必要数のシリコーン型を作りますが、(200 個生産で型6~8 個)型自体の個体差はありません。基本全く同じ物です。よって、出来上がる物も理屈状は形状に個体差はでません。しかしショッ トを重ねていくと肉厚が薄くなることがあります。これは型がくたびれた時の現象です。ウレタンの熱と真空成形中の陰圧によるも
のなので型を多めに用意し連打を避けます。肌が荒れたり、穴が無くなった成形品はシリコーン型の破損です。型を新調するか軽症 の場合は成形後、一個ずつ手作業で直す場合もあります。
-
ウレタンの事後変形
-
真空で注型した後にオーブンで加熱、硬化後に脱型しておりますが、汎用のウレタンは事後変形が起きがちです。特に模型の場合は (理由はわかりませんが)塗装したあとに変形することが多いので、弱い形のもの(N ゲージの電車ボディーなど)は高物性なウレ タンで成形します。例えばクインネート2020(ABS タイプ)では事後変形の事例はありませんでした。それでも変形している成形
品はシリコーン型自体が既に変形しているケースが多いです。その現象は加温されたシリコーンの熱を原型が受けて変形し、そのま まの形でシリコーンを硬化させてしまったという失敗です。よって、なるべく低温で型取りし、原型とシリコーン型の変形を避けま す。また電車の窓にも高物性透明ウレタン、例えばアクソンUP5170(収縮率0.3%)があり、ABS タイプのウレタンと寸法が合い、
事後変形もありません。
-
塗装の乗り
-
プラモデルにくらべると乗りにくいと言わざるをえないと思います。ウレタン自体の性質にも原因は有ると思いますが、離型剤が大 きく関係しています。弊社では離型剤入りのシリコーンと無しのシリコーンを目的によって使い分けております。離型剤入りシリコ ーンは模型(ガレージキット)などで多用しております。離型剤無しシリコーンは透明度を高くしたい透明ウレタン時や簡単な洗浄、
下地処理で塗料の乗りを良くしたい時で具体的には塗装予定の完成模型や試作品などに使用します。離型剤入りを使って欲しくない 場合はお申し付け下さい。
-
原型調整
-
明らかに注型、脱型に耐えられない形状たとえば薄くて穴があいてしまうものは了解を頂いて原型の段階で厚みを持たせます。シリ コーン型は繊細な弱い箇所で伸びたりたわんだりするので相殺分を考慮する必要があります。最終的に製品が元の原型と同じ形にな るよう努力します。また脱型性を良くするため部品を分割させて頂くこともあります。手作業で出来ないときは彫刻機を使います。
手数料は基本頂きません。
-
再生産
-
シリコーン型はゆとりをもって用意していますので、まだ使えます。再生産の可能性がある時は捨てずに保管し、一個からでも再生 産を受付します。なお再生産するかどうか分からないときは、シリコーン型は念のため弊社で保管するか(1~2 年)お客様で保管して頂きます。(送 料を頂くことがあります)必要でないと判断されたときには市区町村の指定に従って廃棄願います。